orataro’s blog おらろぐ

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そうだ、つまみ読みをしよう

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7月も終盤に差し掛かる今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

おらたろうです。

 

最近、このような質問をいただきました。

「小説の効用は何だと思いますか?」

勉強や知識を得る意味で読書をしたいと考えている質問者さん。最近、知識の幅を広げるために小説を手に取ってみたけれどイマイチ楽しめず、どこか我慢しながら読んでいたとのこと。

小説から得られることとして、"自分がどう考えるかは別にして、他者の気持ちや考えを受け入れられるようになる"、"人の心の機微を捉えられるようになる"といったことが考えられるかもしれないけれど、それは映画やドラマ、アニメからでも得られるのではないか。それならば、小説を読む意味ってどこにあるんだろう。

私はこの質問を受けたとき、"小説を読むことにより、人の心や情景を表す詩的で素敵な表現を学べるかもしれない”と回答しました。その一方で、質問者さんが本当に求める「読書」はどうすればできるのか、自分の中で答えを見いだせず、どこか心に引っかかっていました。

 

そんな中迎えた今日、掃除機をかけていたところ、ふと、引っかかっていたことに対する回答が頭に浮かんできました。

「質問者さんが小説を楽しめなかったのは、彼が本当に求める「読書」が『つまみ読み』できる本を読むことだからではないだろうか。」

今回は、そんな読書に関する私が得た気づきを共有したいと思います。

 

 

さてみなさん、『つまみ読み』という読書法はご存知でしょうか。

つまみ読みは、本をはじめから最後までじっくり読むのではなく、「本の中で自分に必要なところだけをかいつまんで読む読書法」です。目次を見て自分の求める情報が書いてあると判断した箇所だけ読むなど、自分にとって必要な箇所に重きを置きながら本を読んでいきます。

私はふと、この『つまみ読み』が質問者さんのおっしゃっていた「勉強や知識を得る意味での読書」に適した読書法であることに気づきました。

 

つまみ読みでは自分に必要な箇所だけ読んでいくことから、自分の得たい知識をピンポイントで学んでいくことができます。

そして、つまみ読みはビジネス書など、日常生活の中で役立つ技能や知識、情報をテーマにしている実用書や、大学の授業で取り扱うような専門書を読む際に適した読み方です。それは、これらの本では章ごと、項目ごとに話が完結しているとともに、筆者が伝えたいメッセージが明確だからです。

適した本と読み方の性質上、つまみ読みは勉強や知識を得るといった点で適しているのです。

 

一方で、小説では行間を読むことが大切で、それを味わうことが小説を読む目的でもあります。一連の話の流れを把握する中で楽しんでいくものであり、はじめから最後まで読んでこそ楽しめるため、つまみ読みするようなものではありません。

 

私は、このつまみ読みできるか否かに、質問者さんが小説を楽しめない理由を解く鍵があるのではないかと考えました。

 

質問者さんが読書に求めるのは、自分に必要な情報をつまみ読みしながら知識を深めていくことなのではないでしょうか。そして、無意識の中で求めているその情報とは、日常生活や社会人生活に直接役立つ情報なのではないでしょうか。

小説は物語を楽しむものであり、ビジネス書のように日常生活に直接役に立つような情報を与えてくれるものではありません。

質問者さんは、読書を通じて自分の求める情報をかいつまみながら学びを進めることを求めているけれど、小説を読む中ではそれが得られない。この乖離が、小説を読む中で違和感になるとともに、小説をあまり楽しめなかった原因になったのではないでしょうか。

もともと、今の自分に必要な知識を得られそうな本を図書館や書店で探してきて読むのが好きだった質問者さん。最近、今までよりそれがしにくい環境に移ったことで、読書法が迷走してしまったのかもしれません。

 

 

小説は小説の良さ、面白さがあるけれど、それだけだと学びが足りない。でも、どんな本を読めば良いかも分からない。そんな時、本を選ぶ一つの指標に、この『つまみ読み』できる本か否かが役にたつかもしれません。

どんな本を読むか迷った時は一度、『つまみ読み』できそうな本を手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

おらたろう

 

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